引っ越しやること

神棚を引越しする時の正しい手順は?配置する時のポイントも解説!

自宅に神棚を設けている場合、引っ越しの方法に悩まれると思います。

いつもお世話になっている神様ですから、引っ越しの時も出来るだけ丁寧に運びたいですよね。

神棚は他の荷物と同じように運んでしまうと、神様に対して失礼に値する場合があります。

そこで今回は、神棚を引っ越しする際に必要な手順と注意点をまとめました。

新居での置き場所のポイントについてもお伝えしていきますのでぜひ参考にしてくださいね。

そもそも神棚とは

仏壇が本尊やご先祖様を祀(まつ)るのに対し、

神棚は住まいのある地域をお守りくださっている氏神様や、

自身が崇拝している神様を祀っているものです。

その誠を尽くす対象として神社が頒布しているのが御札(おふだ)です。

そのため、神棚で一番大切なのは御札であり、神棚は御札に宿った神様の住まいであるということになります。

神棚には以下の3種類の御札を祀ります。

伊勢神宮 「天照皇大神宮」と書かれているお札。三重県にある伊勢神宮内宮の御札ですが、全国の神社で頒布しています。
氏神(うじがみ)神社 住んでいる地域を守っている神様
崇敬神社 自分が最も崇拝している神様

伊勢神宮:お札の祀り方

引っ越しのポイント

神棚を引っ越しする際、重要なポイントは以下の3点です。

  • 魂抜き、魂入れを行う
  • 氏神神社のお札を返納する
  • 最後に搬出し最初に搬入する

魂抜き、魂入れを行う

住む場所が変われば氏神様が変わりますので、引っ越しの際は神棚に宿っている神様の魂を抜く必要があります。

これを一般的に「魂抜き(たましいぬき)」と言い、

引っ越し先で新しい神様を祀ることを「魂入れ(たましいいれ)」と言います。

一番丁寧な魂抜き、魂入れの方法としては神主様に家に来てもらい祝詞(のりと)を唱えてもらう方法があります。

相場はおよそ5,000〜10,000円と言われていますが、神社によって変わるので事前に確認しましょう。

また、同じ地域での引っ越しであれば氏神様は変わらないので魂抜き、魂入れを行う必要はありません

参拝のみで済ませる場合も

近年は費用などの面から、祈祷は行わずに参拝のみで済ませることも多い傾向にあります。

「神様を敬う気持ちを忘れなければ参拝のみでも問題ない」という場合や、

中には「御札さえ返納していれば神棚はそのままでも良い」という場合もあり、

その形は神社によって様々です。

ご祈祷をしてもらう余裕がない時は、最寄りの神社にどのような方法を取るべきかを確認するのが確実です。

氏神神社の御札を返納する

他の地域への引っ越しで氏神様が変わる場合は、氏神様の御札の返納は忘れないようにしましょう

氏神神社へ返納するのが一番ですが、難しい場合は近くの神社でも問題ありません。

中には郵送で受け付けている神社もあるので、気になる場合は問い合わせてみましょう。

神社では基本的に常時古札の返納を受け付けていますので、

引っ越しのご挨拶で参拝したタイミングで返納するのが良いでしょう。

また、引っ越しでは氏神様以外の御札を返納する必要はありません

最後に搬出し最初に搬入する

神棚は家を守ってくれている場所なので、引っ越しの際は最後に搬出し、新居では最初に搬入します。

また、吉日は必ずしも意識する必要はありません

吉日を選んで神棚を放置しておくのが一番良くないので、なるべく早く移動させることを心掛けましょう。

梱包の準備

用意するもの

  • 和紙(半紙で可)
  • 清潔な白い布(梱包用、床に敷く用)
  • 神棚を清掃する布巾
  • 必要に応じてマスク、手袋

梱包の際の注意点

息を吹きかけてはいけない

息を吹きかけることは、自身の穢れ(汚れ)を移す意味となります。

特に御札の取り出しの際に息がかからないよう、気をつけながら作業する必要があります。

不安な場合はマスクなどを着用すると良いでしょう。

床に直接置かない

床に直接置くことは、神様に対して失礼と見なされます。

必要に応じて布を敷くようにしましょう。

梱包の手順

神棚の梱包は神物ならではの特殊な手順で進めていきます。

  1. 現状を写真に収める
  2. 手を綺麗にする
  3. 御札を取り出す
  4. 神棚を掃除する
  5. 白い布に包み運ぶ

また、これらの手順は引っ越し以外に神棚を運び出す場合でも応用できますので覚えておくとよいでしょう。

現状を写真に収める

毎日見ている神棚でも、一度崩してしまうと意外と思い出せないものです。

記録しておくことで新居での再現がしやすくなります。

手を綺麗にする

神棚、御札を穢れさせないための配慮です。

神社でも手を清めますよね。

なるべく直接触れずに和紙を介して触れるのが理想ですが、

難しい場合は手をしっかり洗うか、清潔な手袋を着用しましょう。

御札を取り出す

神棚を搬出する際、御札は入った状態ではなく分けて持っていく必要があります

取り出した御札を持ち歩く際は、そのままではなく和紙や白い布に包みましょう。

神棚を掃除する

専用の綺麗な布巾を用いるようにしましょう。

掃除といっても、ホコリを落とす程度で構いません。

水拭きはカビや傷みの原因になるので、乾拭きで行います

白い布に包み運ぶ

神棚はデリケートなので、なるべく自分で運ぶのが理想です。

持ち運びはそのままではなく、大きな白い布に包むようにしましょう。

どうしてもダンボールに入れる場合は、

白い布に包んだ後立てた状態で入れ、破損しないよう丁寧に梱包しましょう。

運搬は引っ越し業者に依頼できる?

依頼する引っ越し業者に必ず確認しましょう。

破損などがあった場合に替えの効かない神棚は、受け入れを断られる場合もあります

基本的に神棚はそこまで大きいものではないので、可能な限り自分で運ぶのが良いでしょう。

運んでもらえる場合でも、梱包サービスは対象外となるため自分で行う必要があります。

神棚の置き場所

神棚は、毎日手を合わせてこそ意味があります。

置き場所を決める際は以下のポイントを参考にしながら、

一家全員が参拝しやすい場所を選ぶようにしましょう。

日当たりの良い場所

神棚の置き場所は「清潔で明るい場所」が適しています。

日当たりの良い南向きか東向き(部屋の北側か西側に置く)が理想です。

直射日光が当たる場所は神棚の劣化の原因になるので避けましょう。

目の高さより高いところ

神様を見下さないための配慮です。

タンスなどの上に置く場合は、直に置かず和紙や布を引いてから設置しましょう。

自宅の最上階

例えば自宅が二階建てなら二階に置くのが理想ですが、

一階の方が手を合わせやすかったり、賃貸で上階があったりする場合も多いですよね。

その場合は神棚の上に「雲」「天」「空」のうちどれか一文字を書いた紙などを貼るようにします。

こうすることで、これより上には何もないという意味になります。

引用:https://myhome.1yasumi.net/archives/1867

避ける場所

避けるべき場所としては以下の3つのポイントを抑えましょう。

  • 水回り
  • ドアの上
  • 階段の下

水回りは湿気が多く、神棚は傷む原因となります。

ドアの下を頻繁に人が通り抜けたり、階段で神様を上から踏みつけるような位置にあるのは失礼にあたるので避けましょう。

仏壇がある場合

向かい合わせにしない

片方の神様に手を合わせている間、もう片方に背を向けてしまうため

向い合わせに置くのは避けましょう。

真上に配置しない

仏様よりも神様の方が上のため、神棚を上に配置する必要がありますが、

真上だと神様が仏様を踏んでしまう位置になるので避けます

これは、一階が仏壇・二階が神棚といった場合であっても同様です。

同じ部屋に並べて配置する場合は、違う壁を使ってL字に配置するか

神棚が左上、仏壇が右になるように配置しましょう。

仏壇の引っ越しについてはこちらの記事をご覧ください。

お仏壇の引っ越し〜今後の仏壇との付き合いかたを考える

まとめ

引っ越しの際の神棚の取り扱いについて、主に重要なポイントとして以下のようにまとめました。

  • 神棚は御札を祀るための箱であり、主体は御札であること
  • 氏神様が変わる場合は「魂抜き」「魂入れ」を行う
  • 身を清め、穢れ(汚れ)が移らないよう配慮しながら引っ越し作業を行う
  • 旧居で最後に搬出し、新居で最初に搬入する
  • 神棚は建物の最上の位置に置く
  • 一階や賃貸の場合は「雲」「天」「空」いずれかの文字を紙に書き神棚の上に貼る
  • 清潔で明るく、一家全員が参拝しやすい位置に配置する

神棚を祀る上で一番大切なのは神様を敬う気持ちです。

新居での生活を守って頂く神様に失礼のない引っ越しができるよう、今回の記事がお役に立てましたら幸いです。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)