アパートやマンションに住んでいると、近隣の方との生活スタイルの違いに、ストレスを感じることってありますよね。
ある程度までは許容できても、頻繁に深夜まで騒音が聞こえたり、ゴミなどの不快な臭いが漂ってきたら、穏やかな生活は送れなくなってしまいます。
我慢もとうとう限界を迎え、引っ越しを決めたとしても、正直なところ
「こちらは被害者なのだから、引っ越し費用は出してほしい!」と思うのは当然ですよね。
果たして、引っ越し代を請求することは可能なのでしょうか。
引っ越し費用、請求できる?
隣人トラブルに巻き込まれて引っ越しを決意しても、こちらが金銭的ダメージを負うことは、なんだか納得いかないですよね。
そうなった時、
- 物件管理者(大家さんや管理会社)
- トラブル相手
以上の二者を相手に、費用を請求するできるのでしょうか?
物件管理者に請求できる?
大家さんや管理会社に費用を請求できるかどうか、結論から言うと、「状況による」です。
費用を請求するまでの背景が重要なポイントなので、詳細を確認していきましょう。
請求できるケース
あなたが困っていることを相談したにも関わらず対応を怠り、十分な対策を講じなかった場合、費用の請求ができます。
なぜなら、管理者には、入居者が普通の生活を送れるようにする義務があるからです。
深夜にドンチャン騒ぎをされたり、お隣がゴミ屋敷で異臭がしていたら、普通の生活は送れないですよね。
また、過去にも同じようなトラブルで、住人が引越していて、その事実をあなたに伝えていなかった場合にも、請求可能です。
都合の悪いことを黙っておいて、入居を決める判断材料を隠匿(いんとく)したのであれば、告知義務違反となります。
事前にトラブルのリスクを知っていたら、契約はしなかったはずですよね。
その旨を管理者に伝えた上で、費用請求を行いましょう。
請求できないケース
早急な引っ越しを優先するあまり、管理者に相談をしていなかった場合や、引っ越し後に請求することは難しいです。
「トラブルを知らなかった」「トラブルの証拠がない」となると、手立てがなくなってしまいます。
まずは、相談したという実績を積むことが大切です。
私の友人で、上階からの深夜の騒音に悩まされ、注意しようにも勇気が出ず、引っ越しを決めた方がいます。
「どうせ管理会社に言っても無駄」と、何の相談もしなかったようですが、隣人宅に引っ越しの挨拶に伺った時、
以前の住人も騒音に悩まされて出て行ったことを聞かされたそうです。
時すでに遅し、という状態で、結局泣き寝入りすることになってしまい、悔しい思いをしていました。
トラブルの相手に請求できる?
あなたに非はなくても、口頭やお手紙で「引っ越し代出してください!」と費用を請求することは難しいですよね。
ただ、こちらも状況によって請求が可能になります。
訴訟を起こす場合
訴訟を起こし訴えが認められれば、費用の全額または一部を請求することができます。
訴訟と聞くと、弁護士費用や時間がかかることを心配されるかと思いますが、
少額訴訟という訴えであれば、自分で手続きができることに加え、1回の期日で判決が出るので、費用や時間を抑えることができます。
少額訴訟の詳細は下記リンクをご覧ください。
刑事事件の場合
例えば、注意をした際に恫喝されたり(脅迫罪)、暴力を振るわれたり(暴行罪)、
車や自転車など、あなたの所有物を破損された場合(器物破損罪)です。
また、騒音に悩まされた結果、体に不調をきたした場合には、傷害罪として認められる可能性もあるそうです。
刑法第204条では「人の身体を傷害した者」を傷害罪として罰すると定めています。音による暴行の結果、相手が聴覚障害や睡眠障害、精神障害や体調不良などに陥った場合には、傷害罪が成立する可能性も考えられるのです。
引用元:ベリーベスト法律事務所-刑事事件
トラブルが刑事事件として有罪になった場合、付帯して損害賠償請求ができる制度があります。
ここまでのトラブルに発展しているのであれば、まずは身の安全を守ることを第一に考えましょう。
1回落ち着いて、引っ越しは本当に必要?
トラブルに見舞われると、本来は心が休まるはずの家にいることが嫌になってしまったり、
ついカッとして、冷静に物事を捉える判断力さえも奪われてしまいますよね。
費用請求を行うのは容易ではないことや、金銭的・時間的デメリットを考慮すると、
「できれば引っ越したくない」という気持ちも、どこかにあるのではないでしょうか。
あなたと同じようにご近所トラブルに巻き込まれてる方も、様々な悩みを抱え、辛い思いをしているようです。
今あなたがトラブルに対して一人悩んでいて、まだ引っ越しを決めかねている状態なら、次の対策を取ってみてはいかがでしょうか。
近隣住民に相談する
あなたと同じように、騒音や異臭に悩まされている住人がいるかも知れません。
管理者へ苦情を申し立てたり、第三者へ相談する時に、力になってくれる可能性もありますし、
先述した私の友人のように、管理会社の落ち度を知っていた、なんていうケースもあります。
一人で戦うよりも、味方がいてくれると思うだけで、精神的にも心強いですよね。
管理者に相談する
相手がどんな方か分からない場合、勢いのまま直接注意しに行くことは絶対にやめてください。
トラブルが余計こじれたり、逆上され身に危険が及ぶ可能性もあります。
中には悪気なく原因を作っているケースもあり、管理者から注意を受けることで、
「自分の行動が迷惑をかけていたんだ」と気付き、改善される可能性もあります。
また、いくら管理者が注意をしても改善されない場合、管理者から退去勧告をしてくれるケースもあるので、何度でも相談しましょう。
自治体に相談する
各自治体に生活課(名称は異なる可能性有り)という部署があり、地域のことの相談に乗ってくれます。
基本的な対応は助言をくれることに留まりますが、度を越した騒音やゴミ問題で、他の住人にも被害が及んでいる場合、直接対応してくれる場合もあります。
警察に相談する
管理者や自治体に相談しても改善されないようであれば、警察に相談してみましょう。
警察は「民事不介入」なので、基本的には近隣トラブルの解決にあたってくれることはありませんが、
相手方の対応があまりにも常軌を逸していれば、刑事事件として取り扱ってくれるかもしれません。
また、夜間の騒音には直接注意してくれることもあり、警察が出てくることで、相手も「これはまずいな」と、改善される可能性もあります。
専門家に相談する
上記の対策を行っても埒(らち)があかないのなら、弁護士に相談してみるのも良いでしょう。
法律のプロなので、法に則って手立てを考えてくれます。
「訴訟だ!弁護士だ!」とはならずとも、インターネット相談や地域の法律相談など、ハードルの低いところなら相談しやすいと思います。
また、法テラスは収入に応じて無料で相談に乗ってくれたり、訴訟にかかる費用の立替制度もありますので、確認してみてください。
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危なかったら、とにかく逃げて!
想像することも恐ろしいですが、最悪の場合、近隣トラブルが発端となって大きな事件に発展してしまう可能性もあります。
ニュースで取り上げられるような、事件に巻き込まれてしまった方がいるのも事実です。
あなたに非がないのに泣き寝入りして引っ越すなんて、あまりにも理不尽で納得いかない気持ちもあるかと思います。
しかし、日々の生活に恐怖を感じたり、身の危険に晒されるようなら、
逃げるが勝ち、その環境から早急に脱出しましょう。
金銭的負担は免れませんが、戦うことが正解とは限らない、逃げるという選択肢を持つ、ということを頭の片隅に置いておいてくださいね。
引っ越し費用がどのくらいかかるか心配、という時は、こちらの記事をご覧ください。
引っ越し費用を抑えたい!安く引っ越しができる時期を見極めよう!
まとめ
近隣トラブルは、実害はもちろんのこと、精神的にも負担が大きく、日々の生活を送ることさえ辛くなってしまいますよね。
この記事では、
引越し費用を請求ことは可能か
- 管理会社または大家さん
- トラブルの相手
1回落ち着いて、引っ越しは本当に必要?
- 近隣住民に相談する
- 管理者に相談する
- 自治体に相談する
- 警察に相談する
- 専門家に相談する
危なかったら、とにかく逃げて!
- 逃げるが勝ち、早急に引っ越す
以上の内容をお伝えしてきました。
トラブル解決に、少しでもお役に立てたでしょうか。
今はとても辛いと思いますが、一人で抱え込まず、いろいろな機関に相談してみてくださいね。
あなたが一日でも早く落ち着いた生活を送れるよう、応援しています。
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