生活の中でのし紙をつけて品物を贈る機会って、すごく少ないですよね。
特に家族で引っ越したときには挨拶をきちんとしておくことで、お互いに顔も知れて安心して生活できるように思います。
しかしいざ引っ越しの挨拶に品物を贈ろうと思うと、
「どんなのし紙をつければいいんだろう?」
「そもそものし紙って必要なんだろうか?」
と、とっても迷ってしまいます。
私も引っ越し経験のなかでどのようにのし紙をつければよいのか、かなり迷ってきました。
そこで今回は、引っ越し経験者の私なりに「のし紙」の疑問を解決したいと思います!
引越し挨拶にのしは必要なの?
引っ越し挨拶の品を準備しようと思ったとき、一番はじめに迷うのはのし紙をつけるかどうかですよね。
のし紙をつけて品物を送ることになじみがないので、大げさになってしまわないかと心配になります。
私が考えるのは、「のし紙はつけていれば間違いない!」ということです。
のし紙をつけた品物を持って挨拶に出向くことで、自分たちの改まった気持ちが表現できるからです。
そしてのし紙に名前を入れておくことで、自分の名前を覚えてもらいやすいという大きな意味があります。
たとえば仕事で初対面の方に会ったとき名前を口で伝えるよりも、名札や名刺を目で確認できた方が印象に残りますよね。
のし紙はそんな名刺のような役割も果たすのではないでしょうか。
引っ越しの挨拶を受けるときにも名前が分かると安心できますよね。
のし紙はつけて間違いないと思います。
どんな種類ののし紙をつけたらいいの?
次に迷ってしまうのは、どんな種類ののし紙にどう表書きを書けば良いのかということですね。
特に引っ越しの挨拶では「今まで住んでいたところ(旧宅)」「引っ越し先(新居)」2種類の挨拶に向かわねばなりません。
しかし、使うのし紙の種類はどちらも同じなんです。
基本的には、「花結び」と呼ばれるのし紙を使います。
花結びとは、水引がちょうちょ結びになっているもののことです。
ちょうちょ結びはほどいて何度でも結び直すことができるので、何度あっても良いことに使われるのし紙です。
引っ越しは基本的に何度あってもいいイベントなので、花結びの水引が描かれたのし紙を使います。
のし紙に描かれている水引も、意味を知っていれば選び方を忘れないので安心ですよね。
また一般的には表書きの下側に贈り主のフルネームを書きますが、引っ越し挨拶の場合は名字のみで大丈夫です。
では旧宅と新居でそれぞれどのような表書きを用意すれば良いのでしょうか。
旧宅では「御礼」
旧宅では、「今までお世話になりました」と感謝の気持ちを伝えたいですよね。
旧宅の挨拶には「御礼」と書くのが間違いないと思います。
「粗品」と書いても問題ないようですが、感謝の気持ちを伝えるには「御礼」がぴったりではないでしょうか。
「粗品」というと、「つまらないものですが良かったら・・・」という謙遜(けんそん)の気持ちが入っているのです。
友人は引っ越しのさいに「粗品」と書いて品物を持って行ったそうですが、
近所のご年配の方に
「つまらないものなんて言わないで!一生懸命選んでくれたものだからそんなに謙遜しなくていいのよ!」
と教えてもらったそうです。
私もそれを聞いてからは「御礼」と表書きをし、品物を渡すとき「つまらないものですが」という言葉を添えるのをやめました。
地域によって差もあるかと思いますが、「御礼」と書いておくと感謝の気持ちが伝わりやすいように思います。
新居では「御挨拶」
新居では「これからご迷惑を掛けることがあるかも分かりませんが、よろしくお願いします。」と挨拶したいですよね。
そこで表書きには「御挨拶」と書きます。
さきほどと同じ理由で私は、「つまらないものですが」ではなく「よかったらどうぞ」と言葉を添えるようにしています。
改まった気持ちが伝えられたならお互いに気持ちよく過ごせそうですね。
どこで頼めばいいの?
のし紙の種類や表書きが決まったところで、次に気になるのは「どうやって用意するか」です。
たとえば品物は用意できたとしても、なれない筆ペンでのし紙に表書きをするのはストレスになる場合が多いのではないでしょうか。
「うまく書けない!」と思って何度も書き直すと、イライラして時間もかかりますよね。
のし紙の用意は頑張らなくてもいいんです。
なるべくかんたんに準備しちゃいましょう!
方法は
- お店でつけてもらう
- 自分でつける
詳しくは別の記事でまとめているので参考にしてください。
引っ越し挨拶の粗品に熨斗(のし)は必要?マナーのある付け方と書き方
渡す時の注意点
渡す時は相手に名前が読める向きに
のしを付けた粗品を手渡しで渡す時には、必ず相手の方に名前が読める向きにして渡します。
のしは付ける時だけではなく、渡す時にもマナーがあります。
渡すときの時間帯や服装にも気を付けた方がよさそうですよね。
早朝や夜間だと迷惑になりますし、エプロンをつけたままだと家事のついでにきたと思われ、悪い印象になってしまいます。
せっかくのしを付けて渡したのに、マナー違反になってしまったら残念ですよね。
なるべく家族そろって挨拶に行く
子供がいる場合は、引っ越し後の片づけや手続きなどで忙しいので、家族の代表者一人で挨拶に行くことがあるかもしれません。
しかし、子供がいる場合は騒ぎ声や生活音で迷惑をかけてしまうことや、家の前で遊んだりと、
ご近所の方と顔を合わせる機会が多くなることが予想されます。
家族全員の顔がわからないと
「どこの子かしら?最近家の周りをうろちょろしてるあやしい子供がいる」
と不審に思われることもあるかもしれません。
ご近所の方が子供の顔を把握してくれていると、積極的に日常の挨拶をしてくれて
子供を通じて良好なご近所付き合いができるようになるメリットもあります。
なるべく家族そろって挨拶に行く事をおすすめします。
挨拶の言葉
表書きのところでも触れましたが、粗品を渡す時に「つまらないものですが…」とつい言ってしまいそうになりますが
つまらないものをもらっても嬉しくないですよね。
また、挨拶に伺う時にインターフォン越しにまずは挨拶をすると思います。
いきなり「○○(名前)です。」と言われても、誰だかわからないので、警戒させてしまいます。
どのような言葉を添えればいいのか迷ってしまう場合は、下記を参考にしてください。
旧宅での挨拶
インターフォン越しでは
(隣・向かい・何号室)の、○○と申します。
引っ越しのご挨拶に伺いました。
今、お時間よろしいでしょうか。
口頭での挨拶
お忙しいところ、恐れ入ります。
○月○日に引っ越すことになりました。
これまでお世話になりました。
心ばかりですが、☆☆(品物)です。
よろしければ、お使いください。
(お菓子なら、お召し上がりください。)
引っ越し作業ですが、○日の×時から作業が始まります。
引っ越しのトラックなど、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
新居での挨拶
インターフォン越しで
(隣・向かい・何号室)に引っ越してきた、○○と申します。
引っ越しのご挨拶に伺いました。
今、お時間よろしいでしょうか。
口頭の挨拶
【挨拶1】
お忙しいところ、恐れ入ります。
△△に引っ越してきた、○○と申します。
引っ越し当日は、お騒がせしました。
心ばかりの品ではございますが、☆☆(品物)です。
よろしければお受け取り下さい。
よろしくお願いいたします。
【挨拶2】(子供がいる場合)
お忙しいところ、恐れ入ります。
△△に引っ越してきた、○○と申します。
引っ越し当日は、お騒がせしました。
子供が○人います。
泣き声や足音などで、ご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。
気になる時は、気軽にお申し付けください。
どうぞよろしくお願いいたします。
不在で渡せない場合
お仕事の関係で、生活リズムが合わずなかなか渡せないこともあります。
また、知らない人の場合は居留守を使うこともあります。
念のため時間帯を変えて2~3回伺ってみてください。
それでも渡せなかった場合は、お手紙を添えてドアノブにかけておくと良いでしょう。
お手紙を書く時はに注意したいのが、
- 子供の泣き声や足音
- ペットを飼っている
- 夜型の生活で深夜の生活音
- ピアノなど楽器の練習をする
迷惑をかける可能性があることは事前に伝えるといいでしょう。
どう書けばいいのかわからないという場合は、下記を参考にしてください。
【例文1】
○月○日、(部屋番号や住所)に引っ越してきた、△△(苗字)と申します。
何度か挨拶に伺いましたが、ご不在だったため、お手紙にて失礼いたします。
心ばかりですが、ご挨拶の品として☆☆(タオルなど)を贈らせていただきます。
よろしければお使いください。
夜勤があるため深夜や早朝に、生活音でご迷惑をおかけしてしまうことがあるかもしれません。
ご迷惑にならぬよう配慮をしますが、気になることがありましたらお申し付けください。
よろしくお願いいたします。
【例文2】
○月○日、(部屋番号や住所)に引っ越してきた、△△(苗字)と申します。
何度か挨拶に伺いましたが、ご不在だったため、お手紙にて失礼いたします。
心ばかりですが、ご挨拶の品として☆☆(菓子折り・クッキー)を贈らせていただきます。
召し上がっていただければ幸いです。
小さな子供がいるため、泣き声や足音でご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。
できる限り配慮を徹底していきたいと思いますが、気になる時はご連絡をお願いいたします。
これからよろしくお願いいたします。
ドアノブにかける時の注意点
中には、ドアノブに荷物がかけてあるのは、留守にしている目印になるので嫌がる方もいます。
粗品が食べ物だった場合は、直接受け取りたいという方もいます。
どうするのがいいのか判断をしかねる場合は、お手紙のみをポストに投函するだけでもいいでしょう。
ナマモノには不要
引っ越しのあいさつでナマモノを贈ることはほとんどないかもしれませんが、
粗品として魚介類や肉、ナマモノを渡す場合はのしを付けないのがルールです。
一般的に選ばれる粗品は、タオルや洗剤などが多いですが、
万が一ナマモノを渡す場合は、気をつけましょう。
【参考】引っ越しの退去時挨拶は必要?目的や粗品の選び方をご紹介
まとめ
私の引っ越し経験から、挨拶に使うのし紙の不安を解消するためのポイントを紹介しました。
- のし紙はつけていれば間違いない
- 使う種類は「花結び(ちょうちょ結び)」
- 旧宅での挨拶は「御礼/名字」
新居での挨拶は「御挨拶/名字」と表書きを - お店で用意してもらう方法と
自分でかんたんに用意できるテンプレートがある
暮らす場所が変わることにはたくさんの不安がありますよね。
なれないのし紙付きの品物も、しっかり形を整えれば改まった気持ちが相手に伝わるはずです。
できるだけかんたんに用意できると、負担を減らすことができそうですね!
目上の方や仕事関係の人にははがきで引っ越しを伝えよう
引っ越しの報告は、LINEやメールで済ませることもできます。
ただ、相手の連絡先を知らなければそもそもLINEやメールを送ることはできないし、仕事関係の人や目上の人にはできれば「きちんとした人」だという印象をもってもらいたいですよね。
そこで、はがきで引っ越しの挨拶をしましょう。
はがきを送るのに不安があったり、たくさんの人に送らなければならないなら、専門の業者に頼めば簡単に送れますよ。
送る時期は引っ越しのバタバタが落ち着き、時間も経ちすぎない転居から1か月後~2か月後くらいが理想的です。